温度計センサーは従来は非常に価格が高いものとなっており、貴重品等を万全の環境で保管する際などにのみ用いられることが多いものでした。
高額な美術品や骨董品などを保管する専用の倉庫や、重要な実験などを行う実験室などで利用される事は多かったものの、一般的には逐一温度を人の手で確認し管理する方法が主流となっていたのです。しかし最近では温度計センサーの価格が非常に安くなっていることや、温度変化を記録する単純な構造のものが普及していることから、業務の効率化を図り様々な管理を集中的に行う用途にも広く利用されるようになっています。
その中でも近年は物流の世界で広く活用されており、生鮮食料品などを輸送する際のトラックの荷室などに設置されることが多くなっているのが実態です。生鮮食料品の運搬は基本的に保冷車や冷凍車などで行うことが多いのですが、最近は省力化によりドライバーが1人で運転をすることが多く、逐一庫内の温度を確認することが非常に難しくなっています。加えて長距離を移動することも非常に増えており、定期的に確認をすることが非常に難しくなっているのです。
そのため一時的に直射日光などにより温度が上昇してもこれに気づかず走行を続け、次に確認したときには再び温度が低下していると言うことも少なくありません。これでは食料品の品質を維持することができない場合も多く、またこれらの食品を誤って販売してしまいトラブルを招くことも考えられるのです。温度計センサーは一時的にでも一定の温度を超えると反応する仕組みとなっており、その環境をリアルタイムで把握するので異常を検知することができるのがポイントで、管理のための作業効率を高めるとともに安全性を確保するために非常に有効な手段となっています。