温度計センサーとは、何らかの原理によって、人間の代わりに温度を知るための装置や仕組みのことです。
というか、人間もそこまで温度を厳密に知ることができるわけではありません。20度と30度の違いは明らかでも、20度と21度の違いを明確に感じとれるという人はなかなかいないでしょう。ところが物理的な原理をうまく応用すると、1度どころか0.1度とかもっと小さい温度差であっても明確に把握できるようになります。実は普通の温度計も一種のセンサーと言えなくもないのですが、それよりは電気的な原理を応用したものが広く使われています。その一つに熱電対と呼ばれるタイプのものがあります。
温度計のセンサーに用いられる熱電対とは、原理的には2つの異なる金属線の両端を接続して輪のようにしたものです。この両端に温度差があった場合、輪に電流が流れるという原理を使うのです。輪に電流が流れると言っても別に永久機関ではありません。いわば温度差によってある意味で発電がおこなわれているだけのことであり、いずれ温度差が無くなると発電も停止しますから、決して永久機関ではありません。
また、実用においては、輪のような形状では扱いにくいですから、両端部以外は絶縁した上で二本の金属線お縒り合わせ、1本の金属線のようにしたものが用いられています。なお、知ることができるのはあくまでも両端の温度差であって絶対的な温度ではありませんが、一端の温度を固定しておくことでもう片方の温度を測ることができます。